1日あたりの摂取上限
150g(中サイズ1本)
摂取を控えるべき人
潰瘍性大腸炎患者
ゴボウといえば食物繊維
ゴボウはいかにも繊維質なイメージがあるとおり、食物繊維たっぷり。
食物繊維は消化されにくく、それゆえに食後の血糖値の急上昇を抑え、腹持ちを良くしてくれます。また腸内の余分なコレステロールを体外に排出したり、腸内環境を整えてくれる働きもあります。
食物繊維には水溶性と不溶性の2種類あり、どちらか片方を摂取すればよいという話ではありません。不溶性食物繊維だけの摂取では、腸内に水分が多くない場合は便秘になりやすくなります。逆に水溶性食物繊維に偏ってしまうと、下痢をしやすくなります。
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方をバランスよく摂るのがポイントです。
食物繊維を多く含む食品は水溶性か不溶性かどちらか片方に偏りがちなのですが、ゴボウは水溶性と不溶性の両方が含まれています。
それでもゴボウ100gあたり水溶性が2.8g含有、不溶性が3.6g含有と、水溶性1:不溶性1.3の比率でやや偏重があります。理想的な食物繊維の摂取比率は水溶性1:不溶性2と言われていますので、ゴボウばかりを大量に食べるとなってしまうことも…
ゴボウを多めにいただく際は、豆類など不溶性食物繊維を多く含む食品をいっしょに摂ると比率のバランスが取れます。
ゴボウにサポニン?
ゴボウ茶を飲んだことがありますか?
水洗いした皮付ごぼうを焙煎し、熱湯で抽出したもので、「ゴボウ茶に含まれるサポニンが、ダイエット効果や若返り効果をもたらす」なんて言われたりもしています。
しかし実際のところ、確かにゴボウ茶は水溶性食物繊維が豊富なのでダイエットには良さそうですが、サポニンが含有されているわけではありません。
その代わりというポリフェノールが含まれています。クロロゲン酸には中性脂肪の蓄積による脂肪肝を予防する効果や、糖尿病を予防する効果がありますので、サポニン目当てではなくクロロゲン酸目当てでゴボウ茶を飲むのはアリと言えましょう。
食べても大丈夫な量
水溶性食物繊維にもいろいろと種類があります。ゴボウに多く含まれている(inulin)という食物繊維について、もう少し詳しく見て行きましょう。
イヌリンは多糖類の一種。糖なのですが、胃腸ではこれを分解できないため、ほとんど吸収されずに体外へ排出されます。さらに水分を吸収してゲル化し、一緒に摂った糖質の吸収を抑制してくれます。つまりダイエット効果と糖尿病予防効果が見られるということ。
ゴボウに含まれるイヌリンの量は、季節などの条件で上下します。弘前大学教育学部家政学科糖鎖工学研究所によると、5月に購入したゴボウのイヌリン含量は可食部の5.4%で、8月のものだと9.8%。ほぼ倍の差があるのですね。
イヌリンの1日あたりの摂取量は、8~14gが推奨されていますので、ゴボウ150g以上を1日で食べるのは過剰摂取だと言えます。食物繊維は他の食材からも摂取しますので、そのぶんを差し引きすると、1日に100g以下に抑えておいた方が無難でしょう。