1日あたりの摂取上限
5本(大ぶりの数の子約100g)
摂取を控えるべき人
特になし
数の子は意外や意外にヘルシー
お寿司のタネになったり、おせち料理に欠かせない数の子。
数の子はニシンの卵巣の加工品で、ニシンのことをアイヌ語でカドと呼ぶことから、「カドの子」が転じて「カズの子」となったと言われています。かつては北海道産も多かったのですが、現在ではカナダやロシア、アラスカ、オランダ産の輸入品がメインで、一般に塩数の子が主流になっています。
さてそんな数の子ですが、魚卵ですので「プリン体が多いんじゃない?」という印象がありますよね。プリン体を多く含む食品を過剰に摂取すると、痛風になるおそれがありますが、実は数の子に含まれるプリン体の量は少なめ。
その数値は同じ魚卵である明太子やタラコの約6~7分の1程度であり、豚肉や牛肉と較べても半分程度しか含まれていないのです。
ちなみに大ぶりの数の子1本に含まれているプリン体の量は4.4mg。日本痛風・核酸代謝学会によるガイドラインでは、1日あたり400mgをプリン体の摂取制限量にしていますので、。
EPA・DHAも含まれています
さらに数の子には、高脂血症や動脈硬化の予防、アレルギー体質改善などの効果が期待できるやが含まれています。
EPAやDHAといえば青魚という印象がありますが、ニシンの卵にも結構な量が含有されており、なおかつ細胞を酸化から守っているビタミン様物質であるも含有。コエンザイムQ10は、心筋梗塞や心不全、狭心症、糖尿病、高血圧を予防改善する働きを持っています。
そして数の子の気になるもうひとつの要素といえば塩分。しょっぱい食べものだという印象とは違って、食塩含有量も1本あたり0.24g。5本100g食べても1.2gですから、極端に塩分が多いというわけでもありません。
食べても大丈夫な量
しかしながら数の子に心配な要素など何もない、というわけではなく…
それがです。
数の子の色といえばキラキラとした黄金色を思い浮かべますが、昔の人に言わせれば「数の子はもっと茶色くくすんだ色をしている」もの。あの鮮やかな黄金色は、見栄えを良くするために過酸化水素で漂白した結果なのです。
しかし数の子の原材料表示を見ても「ニシンの卵、食塩、(味付け数の子の場合はこれに加えて醤油調味液、ソルビット、調味料など)」と表示されているだけで、過酸化水素の「過」の字もありません。
これは過酸化水素を使用していないという意味ではなく、過酸化水素を使用した後の工程で酵素を用いて過酸化水素を分解・除去し、成分が残らないようにしているからなのです。
過酸化水素は発がん性があるため、食品中に過酸化水素が残留していると発がんの危険性が増してしまいます。
そのため市場に流通している数の子に過酸化水素が残留してはいけないという法規制が敷かれていますが、現実には完全に守られているかどうかは未知数。
安心して数の子を食べるならば、若干茶色がかった無漂白のものをチョイスするのが吉ですね。
以上を踏まえて、数の子は無漂白のものを1日に5本程度までいただくのがベターということになります。