1日あたりの摂取上限
板チョコ1/2枚(25g)
摂取を控えるべき人
糖尿病患者、チョコレートで頭痛になるタイプの人
チョコレートは太るけど…
甘くておいしいチョコレートの魅力ときたら、何にも代えがたいものがありますよね。
でもやっぱり気になるのが食べ過ぎによる肥満コース。
チョコレートに含まれる砂糖は、体内で血糖値を急上昇させます。続いてインスリンが分泌され、上がった血糖値を下げてくれるわけですが、その際にインスリンは余ってしまったブドウ糖を、中性脂肪として脂肪細胞の中へ取り込んでしまうという厄介な働きをしてくれるのです。
砂糖を摂ると太りやすくなるというのは、このようなシステムが作用しています。
その点では、糖分控えめのチョコレート、つまり高カカオチョコレートならば、インスリンの大量分泌もある程度抑えられます。
高カカオチョコレートとは、カカオ分60~70%以上のチョコレートのこと。チョコレートの原料であるカカオ豆に含まれるの含有量が、一般的なミルクチョコレートと較べると、なんと1.5~2倍にもなります。
カカオポリフェノールにまつわる興味深い研究結果を紹介しましょう。
愛知県蒲郡市と愛知学院大学、株式会社明治の共同研究で、4週間に渡って高カカオチョコレートを毎日25g食べ続けた347人の日本人の健康状態を調査したところ、血圧を下げる効果のほか、脳細胞の増加に必要とされている(Brain-derived neurotrophic factor、脳由来神経栄養因子)の上昇も見られました。
BDNFが増えると、うつ病の緩和やアルツハイマー型認知症の改善に効果があるのではないかと期待されるだけに、チョコレートの意外な特質が明らかになったワケです。
まだあるチョコレートのパワー
同研究では、さらに動脈硬化のリスクを下げる効果や、HDLコレステロール(善玉コレステロール)を増やし、コレステロールのバランスを整える効果までもが報告されています。
なのにも関わらず、体重やBMIなどの増加は認められませんでした。毎日チョコレートを食べても体重が増えなかったわけです。
だからと言って、これはチョコレートを毎日いくら食べても体重は増えないという意味ではありません。
あくまでも一日25gの摂取を続けた場合において、体重は変わらないという話です。
同様に注意すべきは、高カカオチョコレートは、一般のミルクチョコレートと比較すると脂質量が1.2~1.5倍あること。砂糖の量を減らしているのに関わらずカロリーも高くなりがちで、カフェインも多めなのです。
「高カカオチョコレートは健康に良いから!」と言ってたくさん食べてしまうと、やはり太りやすくなってしまいます。
摂取しても大丈夫な量
これらを考慮すると、チョコレートは高カカオチョコレートも含めて、一日に25g程度の摂取量にしておくのが無難です。
チョコレート25gは、板チョコの場合1/2枚相当です。
またチョコレートにはカフェインが含まれていますが、さらに (theobromine) というアルカロイドの一種も多く含有しています。テオブロミンには自律神経を調整してリラックスさせる効果のほかに、カフェインと同様の生理作用があります。具体的には心拍数の増加、血管拡張、気管支拡張、興奮、利尿作用などです。
リラックス効果とは相反する作用が起きるため、夜にチョコレートを食べると寝つきが悪くなることもありますので、ご注意を。