1日あたりの摂取上限
2株(およそ700g)
摂取を控えるべき人
血圧の降圧剤を服用している人、甲状腺機能低下症の人
栄養価バツグンの野菜
サラダに入れたり、オーブン料理やシチューなどで活躍してくれるブロッコリーは、ビタミンやミネラルに富んだ緑黄色野菜。
特にの含有量はブロッコリー100g中に54mgと、野菜の中でもパプリカ、ゴーヤ、ピーマン、モロヘイヤに次いで多く含まれています。
成人1日当たり必要とされるビタミンCは100mgですので、ブロッコリー200gつまり約1/2株食べれば必要量をクリアーできるほど。
またビタミンEやビタミンB群やビタミンK、葉酸、パントテン酸、ビオチン、カリウム、モリブデンなども豊富です。
筋トレをする人が好んでブロッコリーを食べるのは、栄養たっぷりで低カロリーだという理由もありますが、実はタンパク質も含まれている野菜だからという根拠もあります。そのタンパク質含有量はブロッコリー100g中で3.5gほどですが、野菜の中では豆類、モロヘイヤ、菜の花、タケノコ、とうもろこしに次ぐレベルなので、充分上位群に位置します。
このようにブロッコリーは完全野菜と言っても、決して言い過ぎではありません。
加熱でビタミンCは減る?
ブロッコリーの栄養をしっかり摂り入れるため、あえて加熱せずに生で食べているという人はいませんか。
「加熱しちゃうと栄養が消えちゃうからね。生が一番良いんだ」
なるほど。確かにビタミンCは加熱すると消えてしまうって話をよく聞きますよね。
しかしそれは誤解です。
ビタミンCは加熱しても減るとは限りません。確かに加熱によって変質しますが、酸素や水と接触しない限りは変質しにくいという性質も持っているのです。
ですのでブロッコリーを加熱する場合、茹でるのではなく電子レンジ加熱をすれば水に触れないのでビタミンCが減りにくくなります。また、茹でる場合でも、小分けに切ってから茹でるのではなく、茹でたあとで小分けにすると、ビタミンCが水に流れ出にくくなります。
茹であがりの際も水に浸けず、ざるにあげて冷ましましょう。
食べても大丈夫な量
またブロッコリーを生で食べるのではなく、加熱したほうが良い理由もあります。
理由は二点あり、一点目は生だと胃腸に負担がかかること。
もう一点はブロッコリーに含まれていると呼ばれる物質。ゴイトロゲンには、ヨウ素の吸収を阻害して甲状腺機能低下症を引き起こすおそれを高めてしまう性質があるのです。
ゴイトロゲンはアブラナ科の野菜に多く含まれていますので、ブロッコリーやキャベツ、白菜、小松菜などを食べる際は、生よりも加熱したほうがゴイトロゲンが減少します。
またブロッコリーを海藻類と一緒に食べるとヨウ素を摂取できますので、甲状腺の問題のリスクを減少できます。
ただしヨウ素欠乏症以外の原因での甲状腺機能低下症の人は、海藻のようなヨウ素が豊富な食品の摂取を控える必要がありますのでご注意を。
これらを考慮すると、ブロッコリーを食べる量は、1日2株くらいならば、別段何の問題もありません。キロ単位で毎日食べ続けると、ビタミンの過剰摂取でさまざまな副作用が出るおそれはあるものの、実際にそんな大量のブロッコリーを食べることは、まずありませんしね。1日2株でも充分多すぎて、毎日だと飽きてしまいそうですが。