1日あたりの摂取上限
豚レバー5g
摂取を控えるべき人
妊娠中の女性、痛風患者
貧血防止の立役者
「栄養の宝庫」と呼ばれるレバーは牛や豚、鶏の肝臓の部分。
さまざまな栄養素を多量に含んでおり、特に知られているのがです。それゆえに貧血気味な人にとって、レバーは効率的に鉄を摂取できるスグレモノ。
鉄だけでなく、免疫力を向上させるや、成長促進、皮膚・髪・爪などの細胞再生、脂質分解などの役割を持つも断トツの含有量です。さらに葉酸、亜鉛、銅なども多く含まれています。
レバーは肉ですから、タンパク質ももちろんたっぷり。そのくせ他の部位の肉や皮に較べてカロリーや脂質も低めなので、ダイエット志向の人にもぴったりの素材なのです。
ビタミンA過剰症
しかし栄養豊富だからとレバーをたくさん食べるのは、まったくの逆効果。
レバーはビタミンAを多く含みますが、実はその含有量の多さに問題ありなのです。
牛レバー100gあたりのビタミンA含有量は1,100μg、鶏レバーだと桁を間違えたかと思うレベルの14,000μg、そして豚レバーも驚きの13,000μgが含まれています。
1日あたりの推奨量は550~750μgREですので、その量の凄さが判るかと思います。
ともすれば貧血防止だといって毎日レバーをヒョイパクヒョイパクと食べているうちに、などに悩まされてしまうことになりかねません。これをといいます。
特に妊娠している女性、さらに初期の場合は、ビタミンA過剰症によって生まれて来る子に先天異常が現れる確率が5倍に跳ね上がるとされていますので注意しましょう。
食べても大丈夫な量
レバーに含まれる栄養素の過剰さは、なにもビタミンAだけの問題ではありません。
「水溶性のビタミン」と称される葉酸も1,000μg以上の摂取で、発熱、蕁麻疹、かゆみ、呼吸障害といったを起こすおそれがあります。
ちなみに牛レバー100gあたりの葉酸含有量はちょうど1,000μg。豚レバ―は少し下がって810μg。鶏レバーだと1,300μgにもなります。とはいえ葉酸は熱や水に弱く、調理段階で半分くらいに含有量が減るため、過剰に神経質になることはありません。
また当然ですが、レバーを生食してはいけません。
そして核酸と含硫アミノ酸の代謝に必要なミネラルであるモリブデンの含有量にも注目を。牛レバー100gあたり94μg、豚レバーが120μg、鶏レバーだと82μg含まれており、1日20~25μgの摂取が推奨されていますので、これもやはり過剰。になると、血中尿酸値の上昇や痛風を招いてしまいます。
これらを踏まえるならばレバーを毎日食べる場合、1日あたり牛レバーなら70g程度、豚レバー5g程度、鶏レバー5g程度に抑えておくべきです。
毎日ではなくたまに食べる場合でも、牛レバーなら250gまでOKですが、豚レバーならば23g、鶏レバーで21gと、ごくわずかな量で抑えましょう。