1週間あたりの摂取上限
牛肉・豚肉あわせて500g
摂取を控えるべき人
子供・高齢者は牛刺しやユッケなどの生食を控える
牛肉で元気モリモリ
スタミナたっぷりなイメージが強い牛肉。ステーキでガッツリ食べるもよし、カレーや肉じゃがの具にしても良しの食卓のパワープレイヤーです。
良質なタンパク質をはじめとして、牛肉にはさまざまな栄養素が含まれています。
例えば。トリプトファンは「幸せホルモン」との異称を持つセロトニンを体内で作りだすために必要な栄養素です。精神の安定に寄与する効果があるので、美味しくビーフを食べてたっぷりと幸せを感じたいものですね。
そしてユニークなところでは、というタンパク質の存在にも注目を。血液循環をきちんと行うための浸透圧維持や、血液中でさまざまな栄養素と結合してそれを必要とする細胞へと運ぶ役割を担っているのですが、アルブミンには実は老化防止の働きもあるのです。
加齢とともに体内のアルブミン量が減ると免疫力や筋力低下が起こり、結果として短命を招くと言われています。「高齢者も適宜、肉を食べましょう」と昨今言われるようになったのは、こういう理由もあるのです。
大腸がんの発生リスク?
とはいえ牛肉はカロリーが高く、特に和牛の霜降り肉になるとかなりの脂質を含んでいます。美味しいからとついつい食べ過ぎてしまいがちですが、極端に牛肉ばかり摂ることも感心できません。
腎臓はタンパク質が消化されるときに出て来る老廃物を濾過する機能を持ちますが、過剰なタンパク質摂取は腎臓に大きな負担がかかります。
もちろんそれ以前にカロリーオーバーが常態化することで太ってしまうという、判りやすいデメリットもありますよね。
そして気になるのがとの因果関係です。
ある研究調査の結果では、肉類の摂取量が約100g/日以上の場合、男性の結腸がんリスクが高くなることが示されています。また牛肉や豚肉に限って言えば摂取量約80g/日以上の場合、女性の結腸がんのリスクが高くなっています。
さらに2015年には国際がん研究機関(IARC)が発表したところによると、肉類を約100g/日以上グラム摂取すると大腸がんのリスクが17%増えるおそれがあるとのデータもあるのです。
食べても大丈夫な量
もうひとつの不安要素として挙げられるのが、肉牛の飼育に用いられる。
成長ホルモン剤を使うと牛が早く育ち、餌の量を減らせるメリットがありますが、成長ホルモン剤の中には発がん性を指摘されている物も存在するため、EUなどでは成長ホルモン剤を使用した肉牛の輸入を禁止しています。
成長ホルモン剤を積極的に使用しているのは米国産牛肉。オーストラリア産も使用しているものが多くあります。国産牛では家畜の繁殖障害の改善と人工受精のタイミングの調節などに限定して使用しており、成長促進目的での使用はしていません。
実際のところ、成長ホルモン剤を使用した牛肉を食べ続けることによる健康被害について、正確なところは判っていません。
卵一個分に相当する成長ホルモン剤のエストロゲンを摂取するには、一度の食事で77kg以上の牛肉を食べなければならず、身体への影響はないという主張がある一方で、子宮体がんや乳がんといったホルモン依存性がんの発生リスクの増加に関して、成長ホルモン剤との関連性が疑われるとのレポートもあります。
これらを踏まえ、できるならば、その上で、牛肉と豚肉を合わせての摂取に抑えるのが良さそうです。
となると、牛肉を使ったメニューは週に1~2回にするのがベストとなります。