1日あたりの摂取上限
大さじ2杯(30ml)
摂取を控えるべき人
貧血、冷え症、胃腸が弱い人
健康イメージが非常に高い調味料
酢を飲んで健康! ビネガードリンクでダイエット!
なんて言葉をよく見かけます。醤油や味噌が塩分過多の印象を持たれ、サラダ油が肥満につながるイメージを持たれやすい中、酢は健康に良い印象が強い稀有な調味料です。
酢の主成分は酢酸で、そのほかアミノ酸など60種類以上の有機酸が含まれています。
酢酸は体内でクエン酸に変化。これが摂取した食べ物をエネルギーに変えるを活発化してくれます。そして有機酸がクエン酸サイクルに補給されることで、代謝が活発になり、疲労や体調不良を改善してくれるのです。
夏バテする季節にさっぱりした酢の物は定番ですが、これも酢が疲労を取り除き、食欲を増進してくれるから。利に適った日本人の食の智恵ですね。
また酢を摂ることは、内臓脂肪の減少効果、高めの血中脂質や血圧の低下効果も期待できます。ほかにも胃酸の分泌を促し、胃腸を刺激して「ぜん動運動」を活発にしてくれます。
肥満や高血圧、便秘ぎみの人にはぴったりの調味料なのです。
寝る前にビネガードリンクはNG
これだけ健康に良いのですから、たくさん酢を摂らねばと、酢を水などで割ってビネガードリンクとしてせっせと飲んでいる人も多いでしょう。しかしただ飲めばいいというものではありません。
朝起きてすぐに一杯のビネガードリンク。これダメです。空腹時の酢の摂取は、消化器官を傷めてしまいます。言うまでもありませんが、酢を原液で飲むなんてもってのほかです。10倍程度に薄めて飲用しましょう。
同じく寝る前の一杯もNG。酢に含まれる酸は歯にも影響します。口内が強い酸性のまま、一晩過ごすことになり、歯が溶けやすくなってしまうのです。では飲んですぐ歯磨きすればいいじゃないかと思いがちですが、酸が強い状態で歯ブラシを使うのも歯を傷つけてしまいます。飲用後30分ほどしてから歯磨きすべきなのです。
摂取しても大丈夫な量
そして気をつけたいのが摂取量。
酢の過剰摂取は身体を冷やします。前述のように胃腸にも負担をかけます。人によっては腹痛や下痢を招くこともあるでしょう。
また血圧を下げる効果があるということは、低血圧の人が飲むのには適しません。同様に貧血ぎみの人や冷え症の人も酢の摂取は控えましょう。
具体的な摂取量は1日あたり30ml、大さじ2杯までに。にしておくのが無難です。
酢の物や南蛮漬けなど酢を使った料理での酢の大量摂取は考えにくいですが、ドリンクにしてしまうと飲めば飲むほど健康になれるようなイメージから、ついつい何杯も飲んでしまいがち。「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」だと留意しましょう。