1日あたりの摂取上限
食パン2枚(6枚切)
摂取を控えるべき人
小麦アレルギーの人、炭水化物を摂り過ぎている人
美味しいパン、ついつい食べ過ぎちゃいますが
日本人の主食といえばコメですが、実はその座を既にパンが奪っていることを知っていましたか。1世帯当たりのコメとパンの購入金額はずっとコメのほうが高かったのですが、平成23年(2011年)に数値が逆転。今や食卓を飾る主食はパンなのです。
毎朝の食パンにはじまり、サンドウィッチや菓子パン、ベーグル、蒸しパンなどなど、口当たりの良さと手軽さから、ついついパクパク食べてしまうパン。
しかしカロリーは結構高いですよね。おまけに食パンに何も塗らず載せず、そのまま食べる人はかなり少数派のはずです。バターなりマーガリンなりジャムなり何かしらカロリーアップさせて食べていることでしょう。
ましてデニッシュや菓子パンには、これでもか!という量のバターや砂糖を添加しています。さほど食べたつもりはなくても、気がつけばカロリーオーバーに陥っているケースが多いのです。
ちなみに食パン6枚切1枚で170kcal。4枚切1枚だと250kcalになります。
セリアック病
パンは小麦粉から作られます。小麦粉から生成されるは、を引き起こすことがあります。セリアック病の多くは遺伝性ですが、生後3ヶ月以内に大麦や小麦を摂取した場合、 後天性のセリアック病にかかる確率が5倍以上に上がるともされています。
セリアック病は小腸の粘膜が炎症を起こし、栄養の吸収を阻止してしまう病気です。下痢や疲労感、成長障害、脂肪便や過敏性腸症候群などの症状を引き起こします。
どちらかといえば欧米で多い病気ですが、昨今のパン食の隆盛で日本でも欧米並みの発症率(0.6%~1.0%)になっています。
食べても大丈夫な量
グルテン以上に一層気になる物質といえば、トランス脂肪酸と飽和脂肪酸でしょう。
は血中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を増やし、HDLコレステロール(善玉コレステロール)を減少させるため、WHO(世界保健機関)などでは1日あたりのエネルギー摂取量の1%未満とするよう勧告しています。要は一切食べなくてよいということです。
これを受け、大手製パンメーカーではトランス脂肪酸の使用量を大幅に減らしており、トランス脂肪酸についてはさほど心配は要りません。
しかしパンにはも含まれています。飽和脂肪酸は不足すると血管がもろくなったり脳出血を招いたりしますが、過剰に摂ると肥満、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こします。
飽和脂肪酸の摂取は全エネルギー摂取量の7%以下にするべきとされていますので、1日に2,000kcal摂取している人の場合、1日あたり15.5gまで。1日に1,500kcal摂取している人の場合、11.5gまでになります。
6枚切食パンなら、1枚あたり約1gの飽和脂肪酸が含まれています。バターを1かけ(10g)塗って食べたとすると、5gの飽和脂肪酸を追加することになり、結局6gの飽和脂肪酸摂取になります。つまり食パン2枚が1日の摂取上限ということです。
ソーセージとかベーコンのおかずなんてとても付けられません。
ではバターさえ塗らなければ何でもOKかというと、そうとも言い切れません。パンの製造工程で飽和脂肪酸を使用した製品が、数多くあるからです。
顕著なのが菓子パンです。あんぱんやジャムパンあたりは食パンとさほど値が変わりませんが、メロンパンだと大体4.5g程度、マーガリンを挟んだコッペパンだと10g以上、アップルパイなどのデニッシュものは15g程度にもなります。
のです。