1日あたりの摂取上限
300g(中サイズ1個)
摂取を控えるべき人
乳幼児、高齢者
ダイエットの味方
おでんや田楽、煮物といった和食の域を飛び出して、こんにゃくの麺やゼリーなど、今やさまざまな食べ方が浸透したこんにゃく。特に味がないので食感を楽しむのがかつての味わい方でしたが、100gあたりわずか5~7kcalという超低カロリー値ゆえに、満腹感を補う食べものとしてダイエットの強い味方になっています。
そしてこんにゃくがダイエットフードだとされるもうひとつの理由が、豊富な食物繊維。腸内に余計なモノを貯め込まず排出を促してくれる食物繊維は、便秘対策に欠かせません。
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維
食物繊維は消化されにくく、それゆえに食後の血糖値の急上昇を抑え、腹持ちを良くしてくれます。また腸内の余分なコレステロールを体外に排出したり、腸内環境を整えてくれる働きもあります。
食物繊維には水溶性と不溶性の2種類あり、どちらか片方を摂取すればよいという話ではありません。不溶性食物繊維だけの摂取では、腸内に水分が多くない場合は便秘になりやすくなります。逆に水溶性食物繊維に偏ってしまうと、下痢をしやすくなります。との両方をバランスよく摂るのがポイントです。
そこで考えるべきことは、果たしてこんにゃくは水溶性食物繊維なのか、不溶性食物繊維なのか、ということ。
こんにゃくの食物繊維グルコマンナンは、よく水溶性食物繊維の代表格に挙げられています。確かにグルコマンナン自体は水溶性であるものの、こんにゃくの製造過程で使われる水酸化カルシウムの作用により、実は不溶性に変化しているのです。 つまりこんにゃくは不溶性食物繊維ということになります。
摂取しても大丈夫な量
不溶性食物繊維であるこんにゃくを多く食べるとお腹が張る感覚を覚えるのは、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の摂取バランスが悪いためです。
そして腸内の水分が不足すると便秘を誘発するおそれがあります。なおかつこの繊維は消化酵素で分解できず、そのまま胃から腸へと運ばれていきます。 消化できない塊が大量に腸内に押し寄せると腸が詰まってしまい、最悪の場合、を招くこともあります。
健康のために張りきってたくさん食べて、それで腸閉塞になってしまっては、元も子もありません。
こんにゃくは1日に300g以下の摂取にとどめるよう推奨されています。そして食べる時はよく噛んで。こんにゃくは消化されないので、噛んで細かくしないと腸が詰まるおそれがあるということをよく覚えておきましょう。
また同時に充分な水分と水溶性食物繊維の摂取も忘れずに。
水溶性食物繊維は豆・海藻・ごぼう・オクラ・なめこ・さつまいも・ニンジン・アボカド・キウイフルーツなどに多く含まれています。理想的な食物繊維の摂取比率は水溶性1:不溶性2と言われていますので、参考までに覚えておきましょう。
こんにゃくは喉に詰まるおそれがあるので、乳幼児やお年寄り、特に嚥下(えんげ)能力が落ちて来た人には、こんにゃくを食べさせないようにするのが基本です。