1日あたりの摂取上限
片身(約130g)
摂取を控えるべき人
血栓症の薬を服用している人
安価で美味しい食卓の定番
焼いても、煮ても美味しいし、酢でしめても、寿司ネタにもなるサバは普段から食卓に馴染み深い青魚のひとつ。同じ青魚のイワシやアジに比べて大ぶりなので、骨が大きくて除去がカンタンだから食べやすいというのも人気な点ではないでしょうか。
サバはタンパク質と脂質が全体の8割をしめており、そのタンパク質と上手く結合して身体に吸収されやすくするという栄養素がたっぷり含まれています。
セレンには抗酸化作用があり、老化を防ぎ、免疫力を高めてがんを予防する働きもありますので、不足しないようにしたいものです。
とはいえもちろん過剰摂取は禁物。セレンの過剰摂取は爪の変形や脱毛、胃腸障害、下痢、疲労感、焦燥感、末梢神経障害を招き、酷いものだと胃腸障害、神経障害、心筋梗塞、呼吸困難、腎不全になることも。サプリメントでセレンを摂るのは避け、普段の食事から補給するようにしましょう。
サバ100gで一日に必要なセレンの量の約3倍が摂取できますので、くれぐれも食べ過ぎにご用心。
EPA・DHAもしっかりたっぷり
そして忘れちゃいけないのがサバの脂です。
サバを焼くと脂がたっぷり出ますよね。「脂が多い食べものは身体に悪い」というのはかつての常識でしたが、青魚の脂は高脂血症や動脈硬化の予防、アレルギー体質改善などの効果が期待できるやが含まれています。むしろ身体に良い効能があり、積極的に摂りたい脂なのです。
ちなみに「DHAは頭を良くするから、DHAが豊富な魚をたくさん食べよう」と盛んに言われましたが、実際DHAをたくさん摂れば頭が良くなるわけではありません。しかしDHAが不足すると脳の活動は低下し、DHAを補給すれば元に回復するのは事実。脳の活動を低下させないために摂るというのが正解です。
EPAとDHA、どちらもしっかり多く含んだサバ。
先述したとおり、高脂血症や動脈硬化の予防効果があります。LDLコレステロール(悪玉コレステロール)値を下げ、さらに血液中の中性脂肪を減らしてくれることから、サバ缶を使ったサバ缶ダイエットもあるほど。
サバに含まれるEPAには、(グルカゴン様ペプチド-1)というホルモンの分泌を促進する作用があります。GLP-1は食事を摂ると小腸から分泌され、インスリンの分泌を促進し、血糖値を上げるホルモンであるグルカゴンの分泌を抑制します。結果として中性脂肪の吸収を穏やかにしてくれることから、ダイエットに最適だ!とされているのです。
食べても大丈夫な量
とはいえサバ缶だけを食べるダイエットというのも、ちょっと行きすぎ感が否めません。1日にサバ缶をいくつも食べるのは、さすがにどうかと…
EPAの過剰摂取になります。
サバ缶1缶あたりに含まれるEPAはおよそ2,000mg。厚生労働省はEPAとDHAをの摂取を奨励していますので、これだけで奨励量の倍になります。さらにDHAが2,500mg以上含まれていますので、合算すると推奨量の4.5倍にもなってしまうのです。
EPAとDHAを合算して1日3,000mg以上を常時摂取し続けると、吐き気や下痢、出血が止まりにくくなるなどの副作用があります。
なにごとも「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」です。サバ缶は1日に1缶までにし、数日に1回は食べない日を作った方が良いかもしれません。
また生のサバを調理して食べる場合でも、片身を食べる程度にしておくほうが無難でしょう。