1日あたりの摂取上限
2L
摂取を控えるべき人
重い不眠症の人
最も身近な嗜好品
古くから日本人に愛されてきた緑茶。
「朝茶は七里帰っても飲め」「朝茶はその日の難逃れ」とのことわざがあるように、茶が持つ健康への効果は民間伝承レベルでも広く伝えられてきました。昨今では茶に含まれるの効能がクローズアップされ、コンビニのペットボトル飲料棚でもかなりの占有率を占めるように、世代を問わず多く飲まれている嗜好品です。
カテキンはフラボノイドの一種で、茶の渋味の成分のもとになる物質。
血圧の上昇を抑える効果のほか、血中コレステロールの調整をする効果、血糖値の上昇を抑える効果、殺菌効果などがあります。
ノンカロリーの上にこれだけの効果があるのですから、ダイエットやメタボ予防に飲むのに最適なわけで、カテキン濃度を上げた高濃度茶カテキン茶が「体脂肪を減らす」という触れ込みで売られ、そして人気を博すわけです。
カテキンを大量に摂ると?
一般的な緑茶に含まれるカテキン量は100mlあたり40mg~100mgと幅があります。要は濃い目に淹れた茶には当然カテキンが多くなります。
またカテキンは茶葉が育つ時に日光にあたることで生成されるものなので、日除けを施して育てる玉露はカテキンがやや少なめです。さらにカテキンは成熟した葉よりも若い葉に多く含まれています。一番茶(新茶)はカテキン多め、ということです。
カテキンは、1日あたり1,000mgの摂取が推奨されています。急須で淹れた茶ならおよそ10杯分、ペットボトルの一般的な茶ならば500mlボトルで約5本分ですね。
でもこれ、「そんなに飲めないよ」と思っちゃう量ですよね。
逆にこれだけ飲むとヤバいという目安も考えてみましょう。
海外で高濃度茶カテキンによる肝障害の例がいくつか報告されています。ただこれは高濃度茶カテキンの医薬品を服用していた場合の話です。
また動物実験で肝機能に影響があったというレポートもありますが、これも私たち人間が飲用して摂取する量の60倍以上という極端な量を投与して得られた見地。
つまりカテキンに関しては、異常な量を摂らない限りは多く摂取しても問題はないと考えるのが妥当だと言えます。
飲んでも大丈夫な量
では緑茶をどれだけ飲んでも健康に問題がないのかといえば、そういうわけでもありません。緑茶にはが含まれているからです。
一般的にペットボトルの緑茶には、500mlあたり40~75mgのカフェインが含まれています。急須で淹れた緑茶なら1杯(100ml)あたり20mgですが、若い芽を摘んでつくられる抹茶や玉露は、含有量が多くなります。玉露だと1杯あたり180mgにもなるのです。
カフェインには興奮作用があります。 また一時的な血管収縮作用があり、頭痛薬や鎮痛薬にも含有されているように頭痛を緩和させてくれます。
しかしカフェインには軽度ですが習慣性があり、カフェイン依存によって禁断症状的な変調が起こることがあります。それが。
緑茶を半日や1日飲まずにいると、偏頭痛や気分の落ち込み、イライラするなどの症状が出て、再度緑茶を飲むとそれらが治まるのです。 これらの禁断症状は1日300mg以上のカフェイン摂取が続くと、引き起こされるリスクが高まります。つまり500mlペットボトルの緑茶を1日に4本飲み続けると、カフェイン禁断頭痛になるおそれが高まるということです。
2リットルサイズのペットボトルを常備してがぶがぶ飲んでいる人、大丈夫ですか?
ちなみにコーヒーのカフェインは100mlあたり40mgありますので、緑茶もコーヒーも両方たくさん飲む人は、気をつけておいた方が良いでしょう。