1日あたりの摂取上限
50g(ブラックタイガー5尾、車エビ2尾、甘エビ9尾)
摂取を控えるべき人
痛風患者
意外にも消費量は減少中
生で食べても、焼いても揚げても美味しいエビ。
日本は世界有数のエビの消費国で、全消費量のうちのかなりの割合を輸入に頼っています。しかしその消費量、年々減っているのをご存じでしたか?
1995年の段階では年間1世帯あたり約3,200gのエビを消費していましたが、2014年になるとそれが約1,300g。10年で半分以下にまで落ちているのです。
なんとなく量を食べなくなってしまったエビですが、カロリーはブラックタイガー1尾で20kcal程度しかない割に、タンパク質はしっかり。肝臓の機能を高めてくれるタウリンも豊富に含まれています。
また調理の段階で捨ててしまうエビの殻には、コレステロールを抑えたり余分な脂を排出してくれる効果もあるがたっぷり含まれています。殻も捨てずに料理に使いたいものですね。
養殖のエビにまつわる心配
国内に流通するエビの大半は養殖物。ベトナム、インド、インドネシア産のものが全輸入量の7割を占めています。
それらの輸入養殖エビですが、養殖環境の悪さがたびたび指摘されています。輸入養殖エビは日本の検疫で度々引っ掛かり、基準の残留濃度を超える合成抗菌剤エンロフロキサシンやフラゾリドンが検出されることがあります。
エビは薄い塩分濃度の池で養殖されますが、どうしても病気予防のために抗菌剤を大量に投与する傾向が強いのが現状。病原菌が耐性を持つことにより、さらに抗菌剤の投与量を増やしているという悪循環になっているのです。
また簡便さが助かるムキエビも、ちょっと注意を。
プリッとした食感を維持するために、pH調整剤を使用して保水能力を高くしています。pH調整剤はさまざまな食品に使われていて、特に害はないものが大半ですが、pH調整剤とはあくまでも食品のpHを調整するための添加物の総称。
クエン酸や炭酸ナトリウムなら特別視は不要ですが、リン酸だったりすると過剰摂取により骨粗鬆症を招いたりしますので、pH調整剤を含む食品ばかりを食べるのは考えものなのです。
食べても大丈夫な量
また妊娠中の女性はと呼ばれる寄生性単細胞生物を避けるため、生ではなく加熱して食べるようにしましょう。
そしてエビはプリン体が多く含まれる食べものでもあります。クルマエビ1尾あたりで約200mg、大正エビだと約270mgのプリン体が含まれていますので、痛風患者はエビを食べ過ぎないように。
エビは他の海産物に較べると水銀の含有量は少なめです。ですので、水銀にさほどの注意を払う必要はありません。
エビを過剰摂取することで問題になった例はあまり見受けられませんが、上記のような残留化学物質のことも考慮して、1日あたりエビの摂取は50g程度に抑えておいた方が無難です。50gとは可食部の量のことで、ブラックタイガーだと5尾、車エビならば2尾、甘エビでは9尾相当になります。
なお、化学物質は背ワタに多く残留しているので、背ワタは必ず取り除いて調理しましょう。