1日あたりの摂取上限
4g(ひじき煮で小鉢1/2杯)
摂取を控えるべき人
甲状腺機能低下症患者
ひじきを食べると長生きする
昔から「ひじきを食べると長生きする」と言われてきました。敬老の日にちなんで毎年9月15日はひじきの日でもあります。
ひじきは鉄分豊富とされ、カルシウムも多く、栄養満点な海藻。鉄分は鶏レバーの約6倍、カルシウムは牛乳の約14倍と、驚くほどのパワフルフードです。
とはいえ、この数値比較はあくまでも同量を摂取した場合の話。牛乳を200ml飲むことは簡単ですが、ひじき200gを食べるのはちょっと非現実的ですからね。
ちなみにひじき煮小鉢1杯分で、乾燥状態のひじき10gに相当します。
また実は、。10gあたり0.6gしかありません。ひじきは鉄と結びつきやすいので、鉄釜で加工すると釜の鉄がひじきに移るため、9倍近く鉄含有量が増えるというカラクリなのです。
ですので、ひじきを購入する時はステンレス釜ではなく鉄釜加工のものをチョイスしましょう。乾燥ひじきならパッケージ裏面の成分表をチェック!
ひじきと無機ヒ素
栄養豊富なひじきですが、が含まれているのが厄介です。
ヒ素は有機ヒ素と無機ヒ素があり、有機ヒ素は生物に必要な微量元素であるものの、食物には有機ヒ素だけでなく無機ヒ素も含有されています。
無機ヒ素の摂取量が多い状況が続くと、嘔吐や食欲減退を引き起こします。ひいては皮膚がん、肺がんの発症リスクが高まるとの研究結果もあるのです。さらには皮膚角化症や色素沈着、肝障害(黄疸や肝硬変)、末梢血管障害など重篤な症状を引き起こします。
食べても大丈夫な量
無機ヒ素はPTWI(暫定的耐容週間摂取量)が体重1kgあたり15μgとされています。体重60kgの人ならば1日130μgが上限ということですね。乾燥ひじき10gにつき無機ヒ素は約630μg含有されています。
この数字だけを見ると小鉢1杯ぶんのひじきを食べるとそれだけで約5日分の無機ヒ素摂取許容量になってしまい、ひじきは絶対食べちゃダメだと思ってしまいそうですが、実際のところそんなことはありません。
実はヒ素は水に溶け出しやすいという性質があります。乾燥ひじきを調理する際に水で戻しますが、30分水で戻すだけで3割から5割のヒ素が溶け出すのです。茹でることでさらに溶け出すため、仮にということになります。
乾燥ひじきを調理する際は必ず30分以上水で戻し、戻した水は再利用せずに捨てること。生ひじきを使う場合はよく水洗いすることを徹底しましょう。